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1秒間にマイクロ細孔を数千穴開ける、東大などが次世代半導体向けレーザー技術を開発した

東京大学と味の素ファインテクノ(川崎市川崎区)、三菱電機、スペクトロニクス(大阪府吹田市)の4法人は共同で、半導体部材のビルドアップフィルムに直径6マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下の極細孔を1秒当たり数千穴開けるレーザー加工技術を開発。従来は40マイクロメートルで6分の1以下になった。次世代半導体のパッケージ基板へ提供していく。

銅薄膜上に厚さ5マイクロメートルのビルドアップフィルムを配置してレーザー加工で穴を開ける。スペクトロニクスの深紫外短パルスレーザーと三菱電機のレーザー加工機、東大の加工プロセスで条件を最適化した。穴径は6マイクロメートル以下で、品質を表すテーパー度は75%以上。次世代半導体製造の基本要件を達成した。

微細穴に銅メッキし微細配線とすることで半導体チップを混載するチップレットに利用できる。味の素のビルドアップフィルムは市場シェアが100%近い。新技術は東大が運営するコンソーシアムで普及を図る。

日刊工業新聞 2022年10月26日

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